原作コミックス『少女革命ウテナ』感想ネタバレです。
長い間アニメが好きなのですが初めてコミックスを読みました。
アニメが先のようですので原作と言っていいか悩みましたが、私自身がずっとさいとうちほさんが原作を描かれたと思っていたのでタイトルにつけました。
幾原邦彦監督とさいとうちほ先生ほか何人かで組まれたチームビーパパスが考えた作品でした。
ここら辺、勘違いしてる人多そうです。
ただ、放送年より先に単行本が出ているのが不思議です。
感想・考察
最初の話は昔の少女漫画っぽさと原作っぽさがあり、だんだんアニメ寄りになってきました。
途中からアニメと連載期間が被っているためもあると思います。
後半の不気味さがウテナらしいのですが、初期の80年代少女漫画のような仲の良い眼鏡男子キャラも良いなと思いました。
前半はアニメよりも現実的で、ウテナの保護者も出てきます。
両親を亡くしたウテナを育てたおばさんで、デザイナーで美人です。
大学生のバイトくんとアムステルダムへ2年、プロジェクトで旅立つことになりました。
バイトくんのことをウテナは毎年薔薇の香りのするカードを送ってくれる、自分が川で溺れた時に助けてくれたペロペロ君(涙を舐めてくれたから)だと勘違いしますが別人で、バイトくんはおばさんのことが好きでした。
当初は3人でアムステルダムに行く予定でしたが、集められたカードの裏の写真を集めると鳳(おおとり)学園の写真であることが眼鏡くんによって分かり、ウテナは全寮制の名門校、鳳学園に行くために日本に残ります。
単行本が文庫版の他に2種類出ているようですがこのピンクの制服を見れる表紙好きです。
その後の流れはアニメに近いです。
乱暴な西園寺から姫宮アンシーを守るため決闘を申し込んだり、冬芽のことを薔薇の王子さまと勘違いしたり。
ところどころ大きく異なる設定もありました。樹璃はアニメだと同性のことを好きになっていますが、漫画だと異性のことを好きになっています。
元々前フェンシング部部長が好きで、部長が病気で学園を去った後は代わりにするように冬芽を好きになっていました。
アニメでも前部長は出てたと思います。ミスリードに使われていました。本当に好きだったのは女の子の方だったという。
あの話とても好きです。
ペンダントの中に女の子の写真があって、女の子は樹璃から好きな男を奪ってやったと思ったのに想われていたのは実は自分で、嫌悪感を全開にする話ですね。
樹璃といえば名シーン、空から降ってきた剣に胸にある薔薇の花を一突きにされる場面。
あれもとても印象的でした。
アニメが衝撃的だったので、漫画ではあっさり決闘が終わったように感じられました。
アニメではどうしてディオスがあんな悪役になってしまったのかよく分かりませんでしたが、漫画では分かりやすかったです。
元々光と闇のそれぞれのディオスの人格があり、光のディオスが人々の要求に過剰に応えようとしたために闇のディオスが滅びるのを恐れ、光のディオスを亡き者にしようとした、というものでした。
光のディオスが命を奪われる寸前、ディオスを愛していた姫、アンシーが城の中にディオスを封印し、眠らせることで助けます。
その代わりにアンシーは薔薇の花嫁として決闘の勝者の言いなりになり、ディオスと愛し合うことも出来なくなってしまう呪いにかかりました。
ラスト
アニメと同じくウテナは姫宮を助けるために戦い、消えました。
そして人々の記憶から初めからいなかったかのように消え去り、冬芽とアンシーだけが覚えていました。
髪を下ろしたアンシーは以前より活発な女の子になり、体育祭の選手宣誓をしてくれと生徒会に頼まれるほどになりましたがウテナを捜しに行く、ウテナは生きていると冬芽に伝え、学園を去りました。
アニメでは冬芽も含めて覚えていなかったと思います。
漫画では冬芽は特別な存在で、番外編でもウテナと肉体関係を結んでいました。
アニメではウテナと暁生が旅館のようなところで関係を結んでました。
本編ではアニメほどはっきりとアンシーと暁生(あきお)の肉体関係は描写されていませんでしたが番外編で描かれていました。
アンシーは暁生の妹ですが、暁生がアンシーのスケッチを描く時に何かを飲ませて服を脱がしていました。
しかしアンシーが起きていたことを知った暁生はそんな自分に嫌気がさして塔から飛び降りました。
暁生が実の妹であるアンシーに惹かれたのはディオスの記憶があるからかと思います。
アニメのラストでアンシーが「待っててね、ウテナ」と言って自分の殻を破って旅立っていく姿が大好きです。
冬芽が「卵の殻を破らなければ雛は外の世界を知らずにしんでいく」と言いますがそれはまさにアンシーのことを示していて、ウテナが殻を破らせました。
ウテナが女生徒の制服を着て落ち込んでいた時に目を覚まさせたのは親友の若葉でしたが、友人の言葉に勇気付けられるところが好きです。
でもその若葉でさえウテナを忘れてしまったのが切ないです。
若葉といえばアニメで西園寺にあげた葉っぱの髪飾りをウテナがつけて歩いているのを見てバッ!と勢いよく怖い顔で振り返るのが怖かったです。
イラストがとても繊細で綺麗で、特にウテナが目を瞑っているところが綺麗でした。
幹がキスをするシーンです。アニメではなかったと思います。
逆に名曲『光さす庭』を弾くピアノシーンは漫画にはありませんでした。
冬芽の妹、七実も写真だけの登場です。
七実はウテナの中では人間らしくて好きなキャラクターです。
おわりに
新作出てますがまだ読んでません。さわりだけお試しで読みましたがまた難解そうです。
→その後読みました!
ウテナの意味が花のがくというのは初めて知りました。
辞書にもちゃんと載ってました。
そうなると、天上ウテナを漢字にすると天上萼になるんですね。
男性みたいな名前になりましたね。テンジョウ ガク。
アニメから入った人、アニメしか見たことがない人も多いのではないかと思いますが一度コミックスを読んでみても楽しいと思います。
キャラクターのプロフィールを見れたのは嬉しかったです。
アドゥレセンスは昔から苦手な内容ですが、漫画で読んだらアンシーが天空の薔薇園でウテナに星空が見えることを言ったシーンが幻想的で良かったです。
水が溢れているところも想像すると涼しげです。
新装版 少女革命ウテナ コミック 1-6巻セット
文庫版って数が少ない分表紙の絵が見れなかったり小さくなっていたりしてあんまり好みじゃないのですが、ウテナは大きく綺麗な表紙で好きです。
でも新装版も気になります。
またアニメが見たくなりました。
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