エクソシスト ディレクターズカット版 〜ありがとうフリードキン 新旧悪魔祓い映画二本立て〜 in 目黒シネマ 初見 感想ネタバレです。
人生で初めて、かの有名なエクソシストを見ました。
通常版も見たことありません。いきなりのディレクターズカット版です。
監督が編集し直した作品。
通常版はプロデューサーが編集しているため。
こう説明を聞くと、ディレクターズカット版の方が本物のように思いますね。だって監督が編集したものですから。
午前十時の映画祭で観ようと思っていたのですが見逃してしまったので、目黒シネマで観ました。
監督のウィリアム・フリードキンが今年8月7日に亡くなってしまい、その追悼企画です。
87歳でした。8月7日に87歳で亡くなる。偶然とはいえ、すごいですね。
午前十時の映画祭が9月上映でしたので、まさか前月に亡くなるとは、これもまた運命的です。
概要
1973年公開(日本では1974年)のアメリカの映画。
監督はウィリアム・フリードキン。ちょうど50年前の作品ですね。半世紀前。
恐ろしい監督で、役者たちは撮影で苦労したそうです。
後遺症が残るほどの怪我をしたり、極寒な中で撮影したり、酷い緊張感の中で撮影したり。
それを知ってから見たので、痛そうだし苦しそうだし寒そうだしで可哀想でした。
あらすじと結末
アメリカ、ジョージタウンに住む女優、クリスとその娘である12歳のリーガン。
ヨーロッパから引っ越して暮らしていた。夫とは離婚している。
新しい家では天井から音がする。ねずみがいるのかと天井裏を見に行くがいない。
リーガンは、ベッドが揺れて寝れないと口にする。
そうしているうちに、リーガンが精神に異常をきたすようになった。
卑猥語を話すようになったり、暴れたり。
身体検査、精神検査をするも原因が掴めず、治りもしない。
クリスは1人の医師から望みは薄いが悪魔祓いという方法があると言われる。
悪魔に取り憑かれていると患者が思い込んでいるため、思わぬ効果があるとのこと。
藁をも縋る思いで、カラスという精神科医でもある神父に悪魔祓いを頼んだ。
しかしカラス神父は、「16世紀に戻らないとならない。今では悪魔祓いはやっていないし、やり方も教わっていない。どうしてもしたいならば教会に悪魔が憑いているという証拠を示し、許可を得なければならない」と話した。
リーガンが悪魔に取り憑かれたフリをしているのではないかと疑っていたカラスだったが、リーガンの発言や異常行動と、お腹の皮膚に浮かんだHelp meという文字を見て、悪魔祓いを決意。
許可は下り、イラクで遺跡採掘をしていたメリン神父と悪魔祓いに挑むこととなった。
メリン神父は12年前にアフリカで悪魔祓いの実績があり、死にかけたこともある。
メリンの名は、悪魔の叫び声の中に隠されていた。リーガンの叫びを逆再生すると、メリンと呼んでいたのだ。
メリンとカラスは悪魔祓いに挑むが、メリンは途中で持病の心臓発作で亡くなってしまった。
カラスはそれを目にして怒り、リーガンを殴った。
俺に取り憑け!と叫び、悪魔を乗り移らせると、窓から飛び降りて階段を転げ落ち、命を落とした。
悪魔が離れたリーガンは健康に戻った。悪魔がいた際の記憶はなかった。
クリスと共に引っ越しのため出て行った。
家を出る前、カラスの知り合いであったダイアー神父が彼女たちに会いに来て見送った。
悪魔にころされた映画監督の事件性を疑っていた刑事がやってきて、ダイアー神父を映画に誘ったが断られた。
代わりに2人で昼食に行くことにした。
感想
怖かったです。怖いし、悲しい気持ちになりました。
老いた母、幼い少女、という一番嫌なとこ突いてくる作品でした。
カラス神父は精神科医として働けば稼げるのに、清貧の誓いがあるから稼げない。
そして母は孤独死。
精神病棟で息子じゃない!とカラス神父から顔を背ける母が切なかったです。
病院を移した方がと叔父に提案するも、私立病院のお金を誰が出すのか!?と言われて黙ってしまう悲しさ。
それにしたってあんな酷い病院なんて。自分の姉があんなところに入ってるなんて、それでいいのかと思いました。
介護問題の闇ですね。
悪魔が俺がころしたと言っていたので、カラス神父の母にも取り憑いたのかと思いました。
それはカラス神父も塞ぎ込みますよね。
ですが最後はリーガンのために命を張りました。心優しい良い人だっただけに悲しいです。噂によると生きてるらしいですが。
カラス神父が「なぜあんないい子が選ばれたんだ」と言い、メリン神父が「我々を絶望させるためだ」と言っていましたが、
本当に陰鬱な気持ちにさせる絶妙なところ狙ってくるなフリードキンと思いました。
マ◯コっていう卑猥単語が出てきたことも、少女に「私をファ◯クしろ!」とスカート捲らせて叫ばせたりとかも、気持ちが暗くなりました。
これは倫理的に大丈夫なの?と思いました。
あと吐きそうになったのが、リーガンが身体検査を受けているシーン。
脳のレントゲンを撮るのに何故か首に針を刺され、血を抜かれたのです。
痛そうに顔を歪めるリーガン。私は採血が苦手で血を見れないので、見てて具合悪くなりました。
検査の数々がどれも苦しそうなんですよ。普通、身体検査であんなに直接的に痛いってことそうないと思うのですが。
MRIだってうるさい音の中でヘッドフォンしてじっとしているだけですよね。なぜ針刺した?
ワーナーに検査シーンがくどいと言われ、オリジナル版ではカットされているそうですがワーナーGJです。
メリン神父が呼ばれたのは、以前に悪魔祓いしたから悪魔の復讐かなと思いました。
前半が少し冗長だったり、場面展開がよく分からなかったりしました。後半から面白くなってきました。
冒頭、遺跡の映像から始まるとは予想していませんでした。雰囲気はインディ・ジョーンズでした。
ちなみにインディは1981年が初作品なので、本作のだいぶ後です。
オリジナル版との違い
色々異なるようですが、大きな違いはラストシーンと、あの有名な逆さ歩き(スパイダーウォーク)の有無でしょう。
驚いたのですが、オリジナル版にはスパイダーウォークがないそうです。
エクソシストと言えばあれと、首の回転ですよね。あと空中浮遊もか。
なんでも、ワイヤーが映ってしまったからだとか。後で映像に加わったのは、CGで消せたからだそうです。
ラストは刑事が来るか来ないかで、オリジナル版は来ません。
スパイダーウォークはゾッとしたので、あれがあるかないかで全然違いますね。
何の脈略もなく突然、すごい速さで階段下りてくるんですよ。怖いです。
ホラーゲームの零にも似たようなキャラクターが出ていたと思います。ビジュアルが強烈ですからね。あの格好だけでホラーです。
今ふと思い出したのですが、どこかのアトラクションか蝋人形の館かで、エクソシストの首回転の人形を見た記憶があります。
どこだったのか思い出せません。花やしきかディズニーか。
確かに首が回転して、あの取り憑かれた醜悪の顔だった記憶があるのですが。
検索しても出てきませんし、気になります。
フライヤー
サタデーフィクション。オダジョーだったのでもらってきました。
懐かしのアメリ。
幸せになる
昔見た時はよく理解できなかったので、また見たいです。
おわりに
夜には物凄い轟音の雷が鳴り響いて、悪魔降臨かと思いました。
お昼に観に行きましたが、夜だったら雰囲気出たかもしれませんね。
天気予報では晴れだったので、突然でした。
二本立てでもう一本、ヴァチカンのエクソシストも観れるチケットだったのですが、時間がなくて帰ったので、ヴァチカンの方はレンタルで見ようと思います。2と3も気になってます。
名作と名高いだけあり、50年経っても衝撃的で面白かったです。
目黒シネマの近くにモスバーガーがあって、あそこの店員さんとても親切でおすすめです。ティーサングリアがとても美味しかったです。
追記
途中、サブリミナルみたいにSAWのジグソーみたいな顔が一瞬映るところも怖かったです。
一番びっくりしたのは、カラス神父が私の母の旧姓は?と聞いた時に悪魔がいきなり汚物を吐いてきた時ですね。心臓バクバクでした。
あれ、答えられるかな?と気になって集中して見させといてびっくりさせる手口ですよね。フリードキンめ。
エクソシストの有名なBGM、久々に聴きました。
ヴァチカンのエキソシスト
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