高橋悠也×東映シアタープロジェクト TXT Vol.1
舞台『SLANG』大千穐楽 感想ネタバレです。
6月30日ソワレ。当日券は長蛇の列でした。
ストーリー
やっとストーリーについて書けます。
これは紡(つむぐ)という青年の夢と現実のお話です。
夢の世界では人気者のバクとして生きています。
紡は現実で恋人の兄をナイフで刺してしまい、裁判にかけられます。
そして精神が夢に侵食されていき、やがて現実との境目が無くなっていきます。
裁判の争点は紡の精神が正常で責任能力があったかどうかでした。
罪を自白した紡は有罪であると見られていますが、精神異常があったと判断されれば、逆転無罪も有り得ます。
全ては精神科医の診断結果に委ねられました。
夢の中の紡=バクも夢の中の人物をさつ害した疑いをかけられており、他の住人たちから責められます。
夢と現実、双方から責め立てられ、紡の心身は弱っていきました。
精神科医は「夢の中の紡がしねば、現実の紡もしぬ」と言います。
罪の意識から有罪を望む紡と、無罪を信じ弁護側に立つ恋人。
有罪にしたい検事と、真実には興味がなく、ただ無罪を勝ち取りたい弁護士。
繰り返される裁判を経て、診断結果が出る時が来ました。
感想
ストーリーもだいぶ端折っています。
大千穐楽、有澤さんの演技が増し増しで迫力ありました。
最初のバク登場のところ。今日は「真っ暗で何も見えない!枕だけに」と言ってたの良かったです。
駄洒落最近好きなので。
谷口さんが「押忍から始まるアドリブぜんぶ滑れ!」て言ったの面白かったです。
願い虚しく今宵も悪夢ブラザーズは絶好調、と言いたいところですが最初に二人の衣裳が絡まっていたので
諦めてぺたんと二人して座り込んでしまいました。
その時の赤澤さんのバクから聞いたという雑学「ハエの味覚って足にあるらしいよ」が面白かったし感心しました。
バクがその雑学を話しているのを想像したら可愛いです。
北村さんがバクに「本当は分かっているんだろ」と心を開こうとするところがいつも泣きそうになりました。
銃をこめかみに突きつける姿がよく似合っていて分かってるなぁと毎回思ってました。
前列で見たときは懐の銃が見えてお!となりました。
北村さんといえば前回、お花の札に一人一人サインを書いていて驚いて、自分だったら持ち帰りたいと書きましたが、やっぱり持ち帰ってる人何人かいました。
そうですよね。私でも持ち帰ります。
幕が下りて拍手をし始めてすぐにもうスタオベしたくなりました。
目を一生懸命凝らしたせいでドライアイ気味でしたが有澤さんの勇姿にうるうるしました。
でも今回は涙よりも自然に笑みが出てきました。
どろろの時はぼろ泣きだったのですけど(笑)
あれは結末が結末なので悲しみもあったのかな。
SLANGも悲しい内容ですが紡の再生の物語だと思っていて、それが有澤さんに重なりました。
パンフで脚本の高橋悠也さんがバクの経歴を有澤さんに似せたと言っていて、初見の時に似ているなと思ったのを思い出しました。
紡が9月生まれのところとか。
終わりの始まり。
バクシャツとスクリーンに出ていた言葉です。
紡の再生は生きること、しからの復活。
有澤さんの再生は初舞台主演が終わり、新たな俳優人生が始まったこと。
現実と夢(舞台)が繋がった瞬間でした。
変わらない明日
Desired World
望んだ世界
waiting on the World to Change
世界が変わるのを待っている
変わらない明日。生きていたかもしれないもう一つの世界。悔やんでも生き返らない。
望んだ世界。和解したもう一つの世界。
世界が変わるのを待っている。紡が目覚めること。
と解釈しました。複数の意味があるような気もします。
ジャムを食べるシーン。邪夢。
紙がコピー機に詰まる、ピストルが詰まる、渋滞、ジャムセッション、ダンクシュート。
だから銃が出てきたのかなと考えたりしました。
ニコ生の感想
ニコ生の方も見てみましたら、コメントでそういうことだったのかという考察がいくつかありました。
ニコ生ならではだと思いますので、まだ理解しきれていない人や他の人の感想を知りたい人にお勧めです。
効果音やBGMは少し聞き取りづらくなってましたが、映像が綺麗で、オープニングの曲が会場よりも聴きやすかったです。
ますますオープニング曲が欲しくなりました。
歌詞にラッパ吹いたとあるのですが、メアリ・ド・モーガンの風の妖精たちの中の『ナニナの羊』を思い出しました。
風の妖精たちは挿絵含めて大好きな本です。この写真の表紙ではなく、岩波文庫40周年記念特装版を持っています。
この本もいずれ感想を書く予定です。
→2023.1.5 やっと書きました!記事はこちら
短編集の中でもナニナの羊は恐ろしくも好きな話でよく覚えています。
ナニナという羊飼いの少女が魔物の笛吹きの少年に目をつけられて羊を奪われるお話。美しい容姿をして楽しい音色を奏でる少年にナニナは心を奪われ、共に踊りますが踊る度に羊が減っていきます。このままでは羊がすべていなくなってしまうというところで木の根に足を掴んでもらうことになりました。目の前では楽しそうに少年が踊っています。
ナニナは踊りたくて足を引き抜こうとしますががっしりと掴まれているので抜けられません。
足が血だらけ…チッチちゃんがドッヒャーしながらもナニナは耐えます。
バクにその少年のような怪しいけれど魅惑の色気を感じました。
髪型もパーマなので雰囲気が似ています。
笑顔で「夢の世界へおいでよ!」などと言われたら付いて行ってしまいそうです。
あといくつかな?
羊を数えているようです。
衣裳
前回、オープニングを有澤さんが歌っているかもしれないと書き、歌詞も気になっていたのですが脚本の高橋悠也さんが歌詞をツイートして下さいました。
思ったより可愛い歌詞でした。想像が膨らみます。これがナニナに繋がります。
可愛いといえば有澤さんの衣裳。
ヘッドフォンの写真をよく見たら怪獣の目がM&M’sでした。小さな缶バッジには鯛焼きが。とても可愛いです。
ピアスがありました。可愛いです。
バクコスプレする時にいいかも。
コスプレとまでは行かないですが、千穐楽はバクシャツ、SLANGTシャツ、バクメイクで行きました☆
やはり考えることは一緒なのか、バクシャツ着てる人がたくさんいました。
ベルト付けてる人もいたりして。私もベルト付けるか迷いました。付けるとメリハリが出ますね。
バクシャツ、公演3日目に行った時には既に売り切れが出ていて、各公演でも僅かのようでした。
大千穐楽は開場すぐに物販に並んだのですが、4列販売列があって、私以外の3人が全員バクシャツを一枚ずつ購入しているのが見えたのですが、
目の前でスタッフさんがバクシャツの写真に“本公演分終了”のシールを貼りました。
用意されていたのは3枚だけ!?
初日にたくさん売れて、品薄になってしまったのかもしれません。
公式通販も無くなり次第終了の可能性が高いと思います。
男性も買ってました。そもそも男性が着てますからね。
将来、有澤さんの初主演舞台の衣裳ということでプレミア付くかもと思いつつ、着ちゃったしガンガン洗濯機で回します(笑)
もう一つプレミア感あるのはアクキーです。全然有澤さんが出なくて近くにいた人と交換してもらいました。
キーホルダー用がほしくて、でも無理かなぁと諦めていたら、井上さんのファンの方が一個だけ買ったアクキーが奇跡的にバクで、わざわざお声かけ頂きました。
ご協力頂いた皆さま、ありがとうございました!
欲を言うと全キャラ揃えて写真に撮りたい気持ちもありましたが偏りすぎてしまって揃いそうにないので諦めました。
全部揃ったら壮観でしょうね。
もう一つの奇跡
アクキーの他にまたささやかな奇跡なのですが驚いたことを。
これです。
SLANGの最後の紙です。
以前に拾ったと書きましたが、今回も拾えました。千穐楽は真ん中くらいの列で観ていたのですが、こちらの方まで破片が飛んできたんです。
足元に飛んできて、あ、飛んできたな。破片だけど記念に持って帰ろう。と思って拾ったら、ちょうど、SLANGの文字のところだったんです。
あんまり綺麗に千切れていたので、誰かわざとちぎったのかと疑いました。
すごくないですか?この綺麗な千切れ方。
もしかしてこういう風に何枚かちぎって散らしたのですかね?真偽は不明です。
千穐楽の紙吹雪、前方列を後ろから見ていて、暗闇の中、最後まで舞っている1ページがドラマチックだなぁと見てました。
奇跡というより偶然ですが、谷口さんが投げた手帳が縦に立ったとか。
立った!て思いました(笑)
舞台って面白いですね。
プレゼント
有澤さんにお手紙とプレゼントが無事届いたようなので写真公開します。公開は今回で最後にします。
初日のお手紙。左はスタンド花だったらこんなのを贈りたかったよというイラストを描きました。
よろし化粧堂
初日の日付のハンドクリーム。浅草にあるよろし化粧堂の365日ハンドクリームです。店舗限定商品です。
初日は柚子の香り。
バクの袋。伊東屋に売ってるのを見つけて無理やり使いました(笑)
SABONの石鹸。
あとAmazonギフト券をこのポチ袋に入れました。
千穐楽は6月30日付の花籠の香りのハンドクリームと、ハーゲンダッツのギフト券にしました。
有澤さんの2番目に好きなアイスはハーゲンダッツの抹茶なので☆
新作の抹茶のクレームブリュレ、すごく美味しかったです。ハーゲンダッツのクリスピーサンド最高です。
お中元 ギフト アイスクリーム ハーゲンダッツ アイスクリーム ギフト セット10個 アイス お礼 お返し 内祝い 出産祝い お祝
寂しかったので動物を増やしました。
どんどん増やそう。
使ったシールのモチーフが偶然、被って嬉しかったです。
惑星は北村さんがネックレスをしていましたし、赤い飛行機は正夢のお姉さんが出てきた時にスクリーンに出てました。
星の王子様のシールです。
おわりに
まさに夢のように終わってしまいました。
ニコ生のオープニング見てると泣きそうになります(´;ω;`)
これまで特定の役者さんばかり感想を書いてきましたが、どの役者さんも心に残る演技でした。
井上小百合
オネムと伊都。
黒い衣装になった時にすごい美人さんだなと思いました。
愛のレキシアターにも出演されてたんですね。
確かにこのチラシにお名前載ってました!
公式動画
藤井隆さんが出演していたので観に行くか迷った作品です。行けばよかったな。
和田琢磨
わだっくまさん。歌仙兼定楽しみにしています。
現実では繊細な櫂を、夢では意志の強いムネオを。
今思ったのですが、ムネオは櫂のなりたかった姿なのだと思います。
ムネが痛ムネ。大きいけど可愛かったです。
北村諒
何度も話題に出した悪夢ブラザーズの一人、ゴズと正義感の強い有栖川。
顔が良い。薬研の時から思っていましたがhydeみがあります。
物語の中でとても重要な役割でした。アドリブ楽しかったです。
赤澤燈
こちらも悪夢ブラザーズ。馬の頭と書いてメズ。そして真実には興味のない牟田。
メズはちょっと頭が弱い可愛らしい役でしたが、牟田は冷酷さも垣間見える真逆の役でそれぞれ魅せられました。
岩永徹也
頭がチカチカ光るヨチムジンとイケボな茨木。
声がとても好みでした。
変人役でしたが本人曰く、リアルでもいつも浮いてしまうと言っていたのが期待通りで嬉しかったです。
初舞台とは思えない演技力でした。
谷口賢志
熱狂的なファンがいらっしゃる谷口さん。
それが頷ける大人の色気と安定感のある存在でした。
明るいけどダークで怖い団長のレムと、優しすぎた筧。
筧も櫂も背負い過ぎでは!?と思って観てました。
黒川一樹
マジックが使えるスーヤと紡を疑う安。
今更ですが、スーヤって安をひっくり返した名前なんですね(笑)
栗子と一緒に紡を追い詰めたいのかと思いましたが、後半では良い人だと分かって見方が変わりました。
勝亦利恵
ビジュアルフォトのパープルの髪型がとても可愛いです。
コクリも栗子をもじった名前ですね。
栗子も後半で印象が変わりました。
コクリとスーヤは他の住人たちと違ってヨチムジンと共に別の世界で生きているような不思議な雰囲気を感じてました。
的場祐太
後半ではバクを追い詰めるのでグーグーを嫌いになりそうで、最上も冷たいので酷いと思いました。
でも最上がとても好きでした。
有無を言わせず判決を下すかっこよさですかね。
最上の私生活を見てみたくなります。
牟田のように葛藤を抱えてたりするんだろうなとか想像できます。
有澤樟太郎
そして我らが有澤さん。
バクが回を追うごとに元気100倍。紡もかっこよかったです。
有澤さんのここから先が見たいと思いました。
今後の活躍に期待します。
みよくの少ないコトノハでは役者の皆さまの魅力を存分に伝えきれませんが、SLANGカンパニーの中で最年少で初主演の有澤さんを支えて下さったことを心から感謝します。
新堂紡は他の誰にも書けない小説を書けるようになるでしょう。
架空も真実も。
見れば見るほど新しい気付きを得られる作品でした。
最後に高橋悠也さん、有澤さんを主役にしてくださりありがとうございました。
会場、衣裳、舞台セットetc..のスタッフの皆さまもお疲れ様でした。
特に天井役のスタッフさんが気になります(笑)
カーテンコール
すぐにスタオベしたくてうずうずしてましたが空気読んで合わせて立ちました(笑)
最後の挨拶がキャラクターだったのが素敵でした。
有澤さんの笑顔が最高でした。
おやすみ 夢の向こう
追記 オープニングは有澤さんが歌ってました!
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