吉沢亮×横浜流星 映画『国宝』公開初日 感想ネタバレです。
2025年6月6日公開、吉沢亮主演の映画です。
前々から楽しみにしておりまして、初日に観に行きました。
発表したての頃ははゲイの映画かと勘違いしてました。また、横浜流星とW主演かと思いきや、吉沢亮主演の映画でした。
キャスト一覧
役名 キャスト名
立花喜久雄/花井東一郎 吉沢亮
暴力団の息子
大垣俊介/花井半弥 横浜流星
歌舞伎役者の息子
少年・喜久雄 黒川想矢
少年・俊介 越山敬達
花井半二郎 渡辺謙
俊介の父で歌舞伎役者
大垣幸子 寺島しのぶ
半二郎の妻
福田春江 高畑充
喜久雄の元恋人、俊介の妻
藤駒 見上愛
喜久雄の内縁の妻
綾乃 役者名不明
喜久雄の娘
彰子 森七菜
喜久雄が役を得るために利用した女性
竹野 三浦貴大
興行会社の社員
梅木 嶋田久作
興行会社の社長
立花権五郎 永瀬正敏
喜久雄の父
立花マツ 宮澤エマ
喜久雄の血の繋がらない母
吾妻千五郎 中村雁治郎
彰子の父
演じているのは本物の歌舞伎役者
小野川万菊 田中泯
人間国宝の歌舞伎役者
あらすじ
長崎の暴力団の家に生まれた喜久雄は、宴会中にカチコミをかけられ、父を亡くす。
宴会の余興で女形を演じた喜久雄を見た歌舞伎役者の花井半二郎は、身寄りがなくなった喜久雄を大阪に呼び、住み込みで歌舞伎を習わす。
半二郎の息子、俊介と共に、半二郎の厳しい指導を受け、才能を開花させていく喜久雄。
ある時、半二郎が交通事故に遭い、舞台の代役が急遽必要になった。当然、実の息子である俊介かと思われたが、半次郎は喜久雄を指名。俊介の母は怒り、俊介は落ち込む。
舞台の日。喜久雄は極度の緊張の中、曽根崎心中のお初を見事演じた。その姿を見て、さらに自信を無くした俊介は、途中で席を立って出て行ってしまった。
劇場の外で泣き崩れる俊介。その様子を見ていた喜久雄の恋人、春江は、俊介と共に駆け落ちする。
喜久雄は俊介の母に恨まれながら、三代目半二郎を襲名した。二代目半二郎は、二代目白虎を襲名。
襲名披露の日、糖尿病に冒されていた白虎は舞台上で吐血。急遽幕を引かれた後、白虎は譫言のように「俊ぼん、俊ぼん」と俊介を呼んでいた。
白虎は亡くなり、半二郎として活躍していた喜久雄だったが、行方を晦ましていた俊介が8年ぶりに帰ってきて、再び歌舞伎をやることに。春江との間には息子が生まれていた。
あっという間に俊介は地位を取り戻し、喜久雄は立場を追われる。喜久雄は俊介の地位を奪ったと週刊誌に書かれた。
さらに芸妓との間にできた隠し子の娘のこと、暴力団の息子であることも書かれ、さらに役を失う。
役を得るために兄のように自分を慕っていた娘を騙すが、役を得ることはできず、娘と共にドサ回りをする日々。
酔った客に貶され、殴られ、屋上で涙する喜久雄。娘からも見放される。
そこへ昔馴染みの竹野が、また歌舞伎をやらないかと声をかけてきた。再び歌舞伎の世界へ戻った喜久雄。
俊介と共に舞台に立つが、俊介は父と同じく糖尿病に罹り、片足を切断。それでも舞台に立ちたいと曽根崎心中のお初を演じる。喜久雄はお初の相手である徳兵衛を演じた。
俊介は舞台を転倒しながら演じ切った。そして他界。
長い年月が経ち、喜久雄は異例の速さで人間国宝になった。
そして、十代の時、人間国宝が演じているのを見て感銘を受けた鷺娘を演じる。
感想
観終わって暫く、言葉が出てこないほど感動しました。
エンドロールで監督が日本人ではないことに驚いたのですが、フラガールや悪人の監督だったんですね。
悪人は観たことがあったので、ああ〜「悪人」の監督かぁ〜!と膝から崩れ落ちる想いでした。
題材は異なりますが、似たような雰囲気でした。人間の汚さと、純粋さ、世間の見え方と当事者の見え方の違いだとか。
フラガールもいつか見てみたいです。当時すごい話題になりましたね。監督の李 相日(リ・ソンイル)監督は、ヒット作をいくつも生み出す方ですね。
本作も間違いなく大ヒットすると思います。
ストーリーとしては春江の心変わりだとか、半二郎が喜久雄に半二郎を襲名させたくせに危篤の際に俊ぼんを呼ぶところだとかモヤモヤしたところはあったのですが、とにかく歌舞伎のシーンが素晴らしかった。
特に最後の見せ場である鷺娘は圧巻でした。
赤い着物で出てくるところは息を呑みました。吉沢亮の演技がすごい。半二郎に病室で指導された後のお初の台詞の迫力たるや。
あと、私、お亮が怒られてる時や絶望してる時の無の表情大好きです。しょぼって感じの。無表情がよく似合う人ですね。それを監督も分かっているのか、パンフレットに書いてあったんですけど、大袈裟な演技をプラスしたら、余計なことをしないほうがいいと言われたと(笑)
監督の指示の重要性が分かったのと、横浜流星のインタビューでも思いましたが、監督は的確に人を評価できる人だと思いました。
歌舞伎の演技に関して、吉沢亮も横浜流星も、一年以上稽古したんだそうです。それでもまだ稽古し足りず、撮影に間に合わせなければならないと大変だったそうです。
歌舞伎役者が子供の頃から稽古を積んでいる歌舞伎を、たった一年で仕上げるというのはかなりハードですよね。
みよくは歌舞伎を見たことがありません。機会を逃してまって、早く見れていればなぁと後悔していたのですが、国宝を余計な先入観なく、新鮮な気持ちで見れたので良かったんだなと思いました。お亮も何も考えず純粋に楽しんでいただければと言っていて、今日この日まで歌舞伎見たことなくて良かったと思いました。
ですが、最近特に歌舞伎を見てみたいと思っていたので、これを機にどこかで見たいと思います。狂言と能と大衆演劇は見たことあるのですが、歌舞伎はなかなか縁がなく。もし見れたらレポ書きますね。
生で見ることはもちろん感動すると思いますが、映像で見たからこその迫力と感動があったのかなとも思います。映像作品としての美しさです。
演目がどれを演じているのかテロップで出してくれて、おお、これが連獅子!とか思って見れました。すごく、初心者入門みたいで良かったです。曽根崎心中も名前は聞いたことあります。
喜久雄が優しくていい人だと思っていたら自分の子供を捨ててでも上り詰めようとする人で、変化に驚きました。
春江にプロポーズしたけど断られたことが分岐点かなと思ってます。春江は酷い女だけど、あの決断によって人間国宝が生まれたと思えばいい決断だったのかと思います。
悪魔と取引してた、歌舞伎を極められれば他に何もいらないと言っていた時点でアカンと思いました。
人力車に乗っている喜久雄に走ってお父ちゃんと駆け寄る綾乃の不憫さ。ですが、二番さんでも三番さんでもいいと言ったのは藤駒ですからね。初めから自分を安売りしちゃダメです。と口では言いつつ、藤駒見る目あるなぁと思いましたけどね。伴侶としては最悪だけど、出世はしましたからね。
喜久雄のことを父と思ったことはないと言った綾乃に泣けたのですが、それでも焦がれたからカメラマンになったんだろうと思いました。
彰子を利用しようと決意した時の喜久雄の表情。嫌らしい男の雰囲気がよく出ていて見事でした。
一流の芸能人やアーティストは普通の人と違う、自分の周りを犠牲にしても不幸にしても、それでも自分の目指す物、掴み取りたいものを極める生き物なのだと感じました。俊ぼんのように、時には自分さえも犠牲にする。それが世間からは理解できないことだとしても。
現実の世界でもスキャンダルがあると騒がれますが、こういった特殊な世界で生きている人たちに普通を求めても無理なのではないかなと思うことがあります。
耳を自ら切り落とし、その直後に自画像を描いたゴッホのように。そのギリギリの精神から生まれる作品がある。人とは違う才能を見せてくれと望むくせに、普通に生きてくれとも同時に要望する。勝手ですね。
地味に嬉しかったのが三浦貴大と田中泯が出演していたことです。三上愛も最近好きですね。
三浦貴大は土井先生、田中泯はヒミコ、三上愛は最近、かくかくしかじかでいいなと思いました。
脇役が全員ハマり役だったと思います。中村鴈治郎さん、本物の歌舞伎役者だったとは。楽屋のシーンで、迫力すごいなと思って見ていたのですが。怒ったら怖そう。
この方の指導を一年以上も受けていたとは、吉沢亮も横浜流星も頑張りましたね。
あと渡辺謙ってすごいですね。流石は世界の渡辺謙だなと。本作は特に発揮されていたようで、知り合いからいっぱい良かったよと連絡が来て、こんなことは初めてだったと舞台挨拶で話されてました。私が特に好きなシーンは墓場で奥さんに叱られてるシーンです。
寺島しのぶはもういつどこにいても表情だけで全てを制することが出来る人ですね。ゴーゴーボーイズのねじ式ずっと覚えてます。今回の好きなシーンは喜久雄が泥を塗ってすみませんと言ってきた時に何も言わずに孫のところに行くシーンです。出てくる度に表情から目が離せなくて、この方は女優になる為に生まれてきたんだなとしみじみします。
ムビチケ
このティザービジュアルのムビチケが欲しくて、そのためにお亮のFC入会しました。ですが観終わったら、横浜流星と向き合ってる方も欲しかったなぁ と思いました。
特典は、浴衣のブロマイドを選びました。お亮は浴衣が一番似合うと思います。
いつかお亮と握手するのが夢です。何年かかっても構いません。推し(藤井隆・窪塚洋介・オダギリジョー)とは握手を果たしてきました。
今は人気すぎるので、あと15年後くらいを目標にします。それまでは推しとは言いません。好きな俳優です。会えたら胸を張って推しと呼びます⭐︎
パンフレット
観終わって、すぐ買いに行きました。普段映画のパンフレットってなかなか買わないのですが、今回は買おうと思いました。前に並んでる人たちも何人も買ってました。
若い女性から中年女性、中年男性と幅広く。初日でこれなので、そのうち完売するんじゃないでしょうか。
まだ全文は読んでいませんが、吉沢亮と横浜流星のインタビューの感想だけ簡単に。
吉沢亮は純粋で素直な人だと思いました。先述した自分の演技を注意されたというちょっとかっこ悪いと思われそうなことを素直に話したり、横浜流星のことを、流星がいなければ頑張れなかったと話したりしていたからです。周りの人にちゃんと感謝できる人だと感じました。
舞台挨拶に応募しましたが落選したので、動画見たのですが、その際の様子でも素直さが伝わりました。
横浜流星は、頭のいい人だと思いました。吉沢亮の演技を見て、自分は可愛らしさを出そうと思ったというエピソードを見て思いました。
確かに喜久雄のお初が美しさと迫力なら、俊ぼんのお初は可憐さと儚さだったんですよね。それを考えて演じられていたということが、頭がいいなと思いました。
横浜流星の演技も、吉沢亮に負けずとも劣らず凄かったですね。調子に乗りやすくて打たれ弱いボンボン感がよく表現されてました。初めて演技を見ました。テレビに出てる映像や、写真は見たことがあったのですが。いい俳優さんですね。
一部読んだだけですが、他のインタビューも、濃厚で読み応えありました。パンフレットの紙質の触り心地が良く、柔らかくて捲りやすいです。文字の色も読みやすくて、デザインを担当した人はセンスがいいなと思いました。
国宝級イケメン吉沢亮
それにしても、「国宝級イケメンランキング殿堂入り」「平成史最高峰の美男」というまさに顔面の頂点を極めた吉沢亮が、「国宝」というタイトルの映画に主演し、カンヌでは6分間のスタオベ、公開から2日経った現在、映画評価アプリのfilmarksでは驚異の4.4、Yahoo映画レビューでは4.7と、大絶賛されるとは、もう存在が国宝です。顔も良くて演技もうまくて謙虚。完璧すぎます。
filmarksの4.4がどれだけすごいのか、人気作で比較してみました。
コナン最新作 4.0
リロ&スティッチ 4.1
ミッションインポッシブル 4.2
ウィキッド4.2
ラストマイル 4.1
ショーシャンクの空に 4.3
スラムダンク ザファ 4.3
タイタニック 4.2
こんな感じでした。今のところザッと見てTrendにある映画で超えてるのはミシェル・ルグランの4.5くらいでした。知らない映画なので、どれだけ傑作なのか気になります。ただレビューが3件しかないので、また別枠かと思います。
これから観る人が増えてきたら賛否両論が増えて、また変動があるとは思いますが、まず4.0を切ることはないと思います。
分かりやすくレビューを話題にしたものの、映画は評価の高さ低さで見る物ではないですからね。それにしたってYahooレビューの高さは異次元ですね。
あんまり期待しすぎてガッカリしてもよくないので(しないとは思いますが)、未見の人は気軽な気持ちで行ってください。
お亮の話に戻りますが。イケメンランキングで殿堂入りした際、自分は顔しかイケてないダメ男と言っていたそうなのですが、顔だけじゃない!と言い切れますね。顔だけでここまで来れないです。イケメンでも演技が大根の人はいます。お亮は顔よし、演技良し、性格良し!なのです。
ですがちょっと繊細な感じがするので、心身共に健康であって欲しいですね。私の推し若い頃病みがちなので(藤井隆:自宅で意識ないまま窓に段ボールを貼る→いま元気、窪塚洋介:マンションから転落→いま元気、オダギリジョー:ストレスで白髪増える+心臓病→いま元気)。
フィクションとはいえ喜久雄も壮絶な人生でした。一般的な会社員は分かりませんが、芸能人は20代〜30代くらいまでが一番過酷なのかもと思いました。無事乗り越えてくれることを祈り、握手できる日を待ってます。
おわりに
とても素晴らしい作品でしたが、お茶の間シーンが2回くらい出てくるので、親子で観に行くとちょっと気まずくなると思います。PG12です。
あと2時間55分と長いので、御手洗には注意しましょう。それでも原作を読んだ人によると、ギュッと詰め込んだ内容なので、短いくらいなんだそうです。
前後編だとちょっとダレるので、一つの作品でまとめ上げてよかったと思います。
劇場によっては上映後、拍手が起こったそうで。すごいですね。また観たい気持ちもありますが、長いので最後の鷺娘のところだけもう一度スクリーンで観たいと思っちゃったりします。
まるで他のシーンはいらないかのような語弊があるので、より正確に伝えられるとしたら、繰り返し繰り返し見たいと思ったんです。
本当にあのラストシーンは今の吉沢亮の全てだと思いました。喜久雄であり、半二郎であり、人間国宝であり、吉沢亮である。
喜久雄の歌舞伎に対する執念だけでなく、俳優・吉沢亮の執念を見た気がしました。
実際、お亮も今回の役にかなり思い入れがあり、この作品がだめだったら自分は終わりだくらいの覚悟を持っていたと語っていました。
エキストラ参加したかったと思ったのですが、インタビューでエキストラで泣いてる人がいた、それを見て手応えを感じたと語っていて、余計に参加したかった!と思いました。生で見れた方、幸運ですね。喜久雄を生の舞台で見たいと思いました。
吉沢亮を好きでよかった。心からそう思います。
コメントを書く