PSYCHO-PASSの記事でも書きましたがジム・キャリー主演の傑作映画『トゥルーマン・ショー』を見たので感想ネタバレ書きます。
イエスマンよりもシリアスなストーリーです。1998年の映画です。
あらすじ
トゥルーマンと名付けられた男性が生まれてからずっと世界各国に人生を生中継されているお話です。
彼の生きる世界は映画やドラマのセットのように作られていて、周りにいる人々は俳優です。
彼だけが真実を知りません。
結婚もしましたが妻役のメリルはトゥルーマンを嫌っていました。
トゥルーマンもまた、ローレンという別の女性に恋をしていました。
ローレンはトゥルーマンに本気で恋をしてこの世界の真実とシルヴィアという自分の本当の名前を教えました。
シルヴィアに会う為に外の世界へ行くことを決意したトゥルーマンは、幼い頃のトラウマで水が苦手でありながら船で旅立ちました。
それを番組の責任者であるプロデューサーが邪魔をします。
わざと嵐を起こしたり船を転覆させたり。
トゥルーマンは負けずに乗り越えました。そして世界の果てにたどり着き、外の世界へ繋がる階段を上っていきました。
感想・結末
結末
トゥルーマンが扉を開けたところで天からプロデューサーの声が聞こえ、「お前には外に出る勇気はない」と言います。
黙っている彼に何か言えと言うと、トゥルーマンは毎朝向かいの夫婦に言っていた「“こんにちは”と“こんばんは”を」と笑顔で言ってまさにショーマンのようなお辞儀をして出ていきました。
それをテレビで見ていたシルヴィアは彼の元へと向かう為、笑顔で部屋を飛び出して行きました。
視聴者はトゥルーマンが脱出したことを喜んだ後、新しい番組を探し始めました。
感想
ラストのジム・キャリーがめちゃくちゃかっこよくて感動しました。36歳頃の作品です。
本作でジムはゴールデングローブ主演男優賞を受賞していますが納得の傑作でした。
この4年前に『マスク』を演じています。
ラストのジムが天に向かって微笑んでいるところで『ビッグフィッシュ』の主人公が花畑の中に立っている写真を思い出しました。
こちらも高評価の映画で舞台も見たことがあるので見たい一本に入っています。
舞台は今年の11月に再演が予定されています。
トゥルーマンの感想に戻ります。
見終わった後は他の人がどんな感想を抱いたのか気になり、Amazonのレビューを見てみたところ、180度異なる感想でそう考えるのかと面白かったです。
ひとつはラストでプロデューサーが話しかけた心境。
私は私利私欲のためにトゥルーマンを説き伏せている悪役にしか見えなかったのですが、親の愛情と見た人もいました。
怖いと言われている所以
もう一つ、ラストの視聴者がテレビガイドを探すところ。
警備員がトゥルーマンを観終わった後にテレビガイドを探し始めた時、私はこんな簡単に忘れてくれるなら良かった。トゥルーマンは案外普通の日常を送れるかもしれない。と思いました。
しかし多くの人はこのシーンを怖いと感じていました。理由はあんなに熱中していたのに簡単に興味を失ったから、とありました。
消耗品に過ぎなかったということです。ここが世界観の他にトゥルー・マンショーが怖いと言われている理由です。
私は忘れてくれるからこその救いがあると受け取りました。例えるなら人の噂も七十五日でしょうか。
自分の人生を世界中に発信されて、普通であれば外の世界で生きていくのはとてもつらいと思います。
彼に対する興味を無くすのは、早ければ早いほどいいと思います。彼はショーマンとして生きてきたわけではありません。
いい意味で人に執着しない。そんな風に感じました。
確かに世界観は怖いですね。倫理に反する胸糞悪さもあります。ですが青い空と海と階段というみよくの大好き要素トリプルコンボとジムの爽やかな笑顔にすべて浄化されました(笑)
途中で見るのをやめてしまった人をレビューで見かけて、なんて勿体ない!と思いました。
青空の壁にぶち当たった時にトゥルーマンが壁を叩くところ、切ない表情。泣きました。
また、最後に「“こんにちは”と“こんばんは”を」と笑顔で言ったことを人が善過ぎると受け取った人もいましたが、あれは彼に「スターとして、操り人形として何か言ってみろ」と言ったプロデューサーに対する力強い皮肉であり、さらにショーマンのようなお辞儀をわざとして見せた彼の勇気と気高さに私は胸が震えました。
メリルが指をクロスした意味
流し見してたので見落としてしまっていたのですがメリルが結婚式で人差し指と中指をクロスしていたところ。これについて考察した人のレビューが面白かったです。
これは意味としては嘘を懺悔するという意味です。これを見つけたことにより、トゥルーマンが妻を疑いの目で見始めたという考察です。
流し見してたのもあると思うのですが、私は看護師姿のメリルのことを妻だと思っていませんでした(笑)
あまりに態度がよそよそしかったからです。
疑い、妻に迫るトゥルーマンをメリルは怖いと言って刃物まで差し出します。そして泣き出して「いくら仕事とはいえもう耐えられない!」と叫びました。
これで思ったのが下世話ですが、夜の夫婦生活ってどうしてたんだろうと思いました。
気になっている人他にもいました。気になりますよね。「子作りしましょうよ」と直接的に誘っていますし、してたのではないかなと思います。
あの台詞に対してトゥルーマンは断っているので、もしかしたらそういうことはしていませんという免罪符だったのかもしれませんが、私の考察では彼女は元々そういう職業の女優だと思います。
妻もですけど一番つらかったのは親友の裏切りでした。
幼い頃からの親友がずっと自分を騙していたなんて知ったら人間不信に陥ります。
亡くなったと思っていた父親との感動の再会も台無しです。
でも初期で外されたから無理やり乗り込んだというエピソードは笑えました(笑)
シルヴィア
トゥルーマンは唯一、シルヴィアだけは本能的に味方だと分かっていたのかもしれません。
シルヴィア役のナターシャ・マケルホーン、誰かに似ているなーと見ていたのですが、若き頃のメリル・ストリープとケイト・ウィンスレットを足して二で割ったようなお顔だと思いました。
キーラ・ナイトレイやナタリー・ポートマンの系統ですね。美女です。
若き頃のメリル・ストリープといえば『永遠に美しく・・・』(とわにうつくしく)を子供の頃に見て衝撃を受けました。
1992年の映画で、当時メリルは43歳頃なのですがすごく美人です。70歳近い今でも美人ですからね。
少しぐろテスクな映画ですがコメディタッチで面白いです。
巨額のギャラ
検索している中で知ったのですが、ジムはこの役を1200万ドルで演じています。日本円で言うと約13億です。
破格。一生かけても稼げませんこんな額。
でもジムでなければ完成し得なかった名作なのでそれぐらいの価値はあります。
ジムだから重くなり過ぎず、爽やかで温かな余韻を残してくれたと思います。
ちなみに調べた中だと『アベンジャーズ』や『アイアンマン』に出演したロバウト・ダウニーの5000万ドル(約58億円)が最高額でした。
アベンジャーズの最新作は見に行く予定です。最近は洋画熱が再燃(さいねん。さいねつではないですよ!)してきました。
せっかくアマプラに入っているので見たかった映画を色々見ようと思います。まずはビッグ・フィッシュですね☆
最後に
最後にこの映画が何を伝えたかったのかを考えてみました。
私は苦難に遭っても自由を掴み取る、世界へ飛び立つ人への応援歌。そして人は何者にも縛られるものではない。と解釈しました。
貴方はどんな感想を持ちましたでしょうか。
The Truman Show―映画総合教材『トゥルーマン・ショー』
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