映画『国宝』パンフレット 特番 感想ネタバレ 考察です。
パンフレットをようやく読みましたので、かいつまんで感想を書きます。また、特番も見ましたのでそれにつきましてもごく簡単に。
パンフレット感想
吉沢亮と横浜流星のインタビューについては初日の記事で書きましたので省きます。抜粋して簡単に書きます。
・寺島しのぶさんの若松(孝二)組発言
若松監督って何の作品だろと思ったらキャタピラーの人でした。あれ見ましたが、若いときだったので見れましたけど、今はもう重すぎて見れないです。凄まじい映画でした。寺島さん、まさに体当たりの演技でしたね。
・黒川想矢くんの言葉選びの上手さ
読んでて面白いというか、引き込まれる文章ですごいなと思いました。「寂しさが俳優を強くする」というエピソードとか。
経歴見たら5歳から芸能活動されてるんですね。ああ〜と納得しました。幼い頃からの子役の方って成熟してますよね。
・渡辺謙が語る「俊ぼん…」
「あぁ…ここでこの名を言うのか」とつらくなったと語っていて、何だか少し気持ちが救われました。あそこだいぶモヤモヤしたので。
お亮のことを青白い炎と評していたのがグッと来ました。渡辺謙さんの言葉選びも好きです。
・李監督×鴈治郎さん
①映像と現場
鴈治郎さんが、もしも歌舞伎を見たことがある人が本作を見てんっ?と感じさせてしまったら、その責任は全て私にあると語っていて、その真髄な気持ちに胸打たれました。
私は歌舞伎は見たことなくて後悔していたけれど、見たことなくて良かったなとこの映画を見て思ったのですが、見たことある人でも楽しめるであろうと想像しています。
何故なら映像と映画的表現を用いた歌舞伎と、本物の歌舞伎は別物だからです。これまでの記事でも何度か触れていることなのですが、映像と体験って全く違うのですよ。
観劇と言うのはその場の空気感、周りの客の反応、自分の見る先、役者のその時その一瞬の仕草、視線その他諸々含めて作品です。
映像だと固定でカメラに合わせて見させられますよね?現場では自分が役者を追うのです。そして役者もまた、私たち観客を見ています。全く別物です。
これは映画にも言えることです。映画は映画館で見て初めて完成すると思っています。サブスクや家の小さな画面で見ると、本来の魅力が発揮されません。
とある作品がテレビ放送された際、映画館の環境で誤魔化されてたんだなと言っていた人がいて。逆です。放送が本来の良さを失わせているのです。
なので。私はいつか本物の歌舞伎を見るのが楽しみです。圧倒的体験が待っていると思っています。
そして、映画『国宝』を“体験”できるのは映画館だけです。
②お初の呑み込みは吉沢亮が早く要領を得ていた
このエピソードにゾクっとしましたね。声の出し方や発声が最初からお初に馴染んでいたのだそうです。一方で横浜流星は長いこと苦戦していたそうで。まるで喜久雄と俊介じゃないかと。
確かに吉沢亮のあのお初の高笑い。あれは凄かったです。まだ2回しか観てないですけど、2回目でも狂気を感じました。
お亮はインタビューで横浜さんのことをすごく褒めてて、負けないように頑張ったと言っていたのでてっきり横浜さんの方が易々とモノにしていたのかと思っていました。どこまで謙虚なんだ吉沢亮。あんなきゅるるんとした目で末恐ろしい。
ちなみに踊りの形に関しては横浜さんは吸収が早かったそうで、さすが元スポーツマンだなと思いました。
③本来ならお初はお歯黒を塗る
遊女だから。今回に関してはお歯黒なしにしたかった。何故なのか、というのはパンフレットをお読みください。
お歯黒だったらそっちばっかり気になってしまったと思うので、映像としてはなしで正解だったと思います。
④強制出演(笑)
李監督って押しが強いですね(笑)
強制出演させられる鴈治郎さん可愛い。先日のスイッチインタビューからずっと鴈治郎さんが可愛くて仕方ないです。萌えキャラ鴈治郎さん。
・李監督のインタビュー
①何故、吉沢亮を主人公に選んだのか
理屈ではなく直感だったそうですが、企画・プロデュースの村田千恵子さんによると、「どこからきたのか…出自が分からないような佇まいがいい」と監督が言っていたそうです。監督は言ったことを覚えていないそうです。この発言にはハッとしました。
自分は顔しかイケてないダメ男だとか、俳優にならなかったらプー太郎になるとかそんな発言しているから俗世っぽくなってますけれど、本当にお亮のお顔や雰囲気って浮世離れしていると思います。普通にあんなに綺麗な日本人男性いないですからね。
ただ美しいだけじゃなくて、纏っている空気感とか。李監督の表現、的確です。
②万菊の物の怪的な雰囲気
万菊ショックと呼んでいるらしいです。真剣なインタビューなのですが、急にカジュアルで笑いました(笑)
田中泯さんってお年を召されてから俳優を始めたのですね。演技がとても上手いのでてっきり昔からかと。ヒミコの演技では泣かされました。見た事ない方はメゾン・ド・ヒミコ、ぜひ見てみてください。
2023年6月 ヒミコ 武蔵野館にて
・脚本家 奥寺佐渡子のインタビュー
原作は「です、〜ます」調の語り口だそうです。珍しいですね。
みよくは記事を書いていくにあたり、「だ・である」調にするか、一時迷ったのですよね。その方がかっこいいというか、説得力が出たり、エッセイ感が出るかなと。
例えば喜久雄はーだったのだ。そしてこのシーンはーなのである。と書くのと、喜久雄はーだったのです。そしてこのシーンはーなのです。では印象が異なりますよね。
それっぽさが出るのはである調かなと思ったのですが、ただのトーシロだし、文章力があるわけでなし。親しみやすさの方を取りました。
原作の国宝も絶賛されていて気になっているのですが、ですます調でありながら賞賛されるということは、本当に文章が上手い人なのだろうと思いました。
奥寺さんは『学校の怪談』の方だったんですね。学校の怪談好きなので嬉しくなりました。
・カメラマンも外国人だった
李監督も日本人ではないですが、カメラマンもチュニジア系のフランス人でした。ソフィアン・エル・ファニさんです。
独特なカメラワークだなと思ったのですが、それもあったのでしょうか。
・劇中に登場する主な演目の解説
だいたい恋してるか恨んでるなと思いました。全部生で観たみたいです。
以上、かなりかいつまんでの感想になりました。もっともっと貴重エピソード満載ですので、まだ読まれていない方、ぜひ劇場でお手に取ってください♪
特番感想と考察
30分の特番がYouTubeで配信されております。ごく簡単な感想を。
・監督の代表作として、フラガール、悪人が紹介されていました。私も初日の感想記事で書きましたが、この2つとも当時かなり話題になりましたもんね。そして今回の国宝。すごい監督です。フラガール見なければ。
・雪のシーン考察
監督が雪のシーンを大切にしていて、それは紙吹雪にもつながり、そして人生に揺蕩っているものへとなっていくというようなことを話されていて、思っていた感想を思い出しました。
喜久雄が見たい景色があると言っていて、それが花火のようなものだったと思うのですが。
少年期の喜久雄が、雪の中で父が倒れるのを目の前で見たあの時から求める景色になったのかなと思いました。
父は「よぉ見とけ」と言いましたよね。
だけど散って行った。その景色を忘れられず、美しいものが見たいと追い求めるようになったのだと感じました。一種のセルフセラピーのような。
・万菊の言葉を考察
歌舞伎が憎くて憎くて仕方ないんでしょ。それでも演るの。のところで喜久雄のことを見てから言ったので、喜久雄に対しても言っていた言葉なんだろうと思いました。
・寺島しのぶの笑い方
完全にエボシ様で素敵です。
・寺島さんが現実の歌舞伎界もこうなりゃいいのになと。世襲制ではなく外からの才能を取り入れたらというお話でした。
私は伝統芸能ですし、世襲でいいのではないかと思っていますが、寺島さんがこう言うからには、入れた方がいい部分があるのだろうと思いました。
・森七菜さんが可愛い
インタビュー時の衣裳似合ってます。まだお若いのにお茶の間シーンお疲れ様でした。
そしてそれ以上に可愛いのが森さんと一緒に記念写真を撮っている時の鴈治郎さん。フクロウみたいなお顔で可愛いです。
鴈治郎さんのシーンでは「役者風情が立派なフリしてどうすんだよ」の台詞が好きです。これは非常に愛情の籠った言葉なんですよね。肩の力抜いてやりなってことなので。でも喜久雄は納得できなかったんですね。早く這い上がりたくて。
でもそれが喜久雄を成長させたのです。回り道をしても。実際の俳優さんやその他芸能人もそうですけど、現状維持を望まずにもがくことがステップアップに繋がって成功するのだと思います。
吉沢亮も、顔だけで判断されるのが嫌で太ったり芋っぽくしてみたりとかしてみたわけですよね。そういう経験は確実に今に生きていると思います。
吉沢亮を褒め称える
吉沢亮を褒め称えるコーナー作りました。
お亮はすぐ自信を無くす印象があるので、この機会に褒め称えます。
みよくがお亮を知ったきっかけである銀魂(2017)のメイキング映像で、自分の映像を見ながら、スタッフに「かっこいい?」と聞いていた姿が印象的でした。
かっこいいに決まってるだろとしか思えないのですが、何だか心配性な人というか、見た目の割に自分に自信がない人なのかなと思いました。
お亮の作品は何作品か見ていますが、演技が上手いと思う転機となった作品を2つ。
ひとつ目は東京リベンジャーズ(2021)の時です。
マイキーが床に座り込んで泣いているシーン。あのシーンで改めて演技が上手いなと思いました。
そしてもう一つは何と言っても大河ドラマ・青天を衝け(2021)ですね。あれで私の中で彼を見る目がもう一段階変わりました。
大河ドラマを最初から最後まで見れたのが人生で初めてだったのですよ。いい歳して。
なかなか日曜日の夜ってテレビ見る気が起きなくて。ですがとても面白かったので、ほぼリアタイしてました。見られない時は配信で見ました。
大河ドラマは殆ど見ていないですから比較できないかと思いますが、全話見れたということからも、私の中では大河ドラマで一番面白かった作品です。
次いで真田丸(堺雅人)、鎌倉殿(小栗旬)ですかね。真田丸もかなり面白かったです。どちらも三谷幸喜さんが脚本されてます。三谷さんはこれらの他に新撰組!(香取慎吾)も脚本されています。
そちらは見たことがないのですが、15年前くらいに友人が円盤で見て、すごく面白いよ!と言っていたのですごく面白いのだと思います。私も見ておけばよかったな。
いずれにせよ、三谷さん脚本の大河ドラマは全て絶賛されているということですね。
青天を衝けは大森美香さんが脚本をされており、大森さんは朝ドラの『あさが来た』で有名です。あさが来たは、朝ドラにおいて今世紀最高視聴率だそうです。
これは納得しますね。青天を衝けも、毎話飽きずに見られましたので。あさが来たの方も見てみたいです。映画ではカイジ、ドラマではブザービートなどを脚本されていたそうです。どれも大ヒット作品ですね。
青天を衝けは、脚本が良かったのは大いにあると思いますが、やはり主演の演技力。一話から引き込まれました。草彅剛も良かったですね。
この作品により、吉沢亮の演技の上手さに関しては私の中で絶対的なものになりました。国宝でも演じていましたが、青天を衝けでも老いの演技はしているのですよね。
若すぎて無理があるだろ!って言われてたし、本人も先日のインタビューでも無理だよ!と言っていましたが、私は好きでした。
2022年11月の国宝展では、音声ガイドもしていましたね。自分の記事を見返していてそういえばあったなと思いました。
当時はモノの国宝の展覧会でしたが、いま国宝展って聞くと映画を思い浮かべます。
こんな感じで密かにお亮のライトファンをしておりまして、国宝もムビチケを事前に購入し、とても楽しみにしており、期待に期待を重ねて公開を待っておりました。
そして皆さんご存知の通りの大絶賛、期待を上回る傑作でございました。
つまり吉沢亮は紛れもなく演技の天才ということです。そしてここで終わりではないと思います。
私は15年後のアラフィフになった吉沢亮を楽しみにしています。おじ専ではありません。その頃になれば、もっと自信がついていることでしょうし、深みが出ているだろうと思うからです。吉沢亮は、より高みを目指せると思っています。
30代は一番大変な時期だと思いますが、とにかくあらゆる事に負けないで欲しいです。
有名になればなるほど出る杭でやっかみや足を引っ張ってくる人も出てくるでしょう。フルシカトでただ前を向いて演技を極めて欲しいです。
ジャンヌ・モローの殿方はただ美しければ結構ですじゃないですけど、役者は演技がうまくてなんぼです。
おわりに
アラフィフといえば、ロバートの秋山竜次(46)が笑ゥせぇるすまんの実写ドラマで主演張るらしいです。ちょうど今のお亮の15年後ですね。ビジュアル見たのですが激似過ぎて驚愕しました。目がもう。
アニメは子供の頃見て、トラウマでしたねー。漫画は大人になってから読んで、そっちも怖いのですが、アニメは何というか気味の悪さが増し増しでした。
アマプラで7/18から独占配信です。クドカンが脚本やる回もあるようなので楽しみです。
明日、27日(金)からは佐藤健のドラマが独占配信しますし、最近アマプラ頑張ってますね。
無関係な話をしてしまいましたが、ともかくお亮には息が長い俳優になって欲しいという事です。
ここが終着点ではありません。むしろここがらがスタートと言えると思います。
吉沢亮を見る目が変わった、吉沢亮の演技が初めてすごいと思ったという声も少なくありません。私としては前からすごいよと思うのですが、気が付いてくれたのなら喜ばしい事です。
とはいえ、まだまだ国宝の上映は続いております。
日に日に観客が増え、興行収入も伸びていっています。引き続き応援しております⭐︎
『国宝』公開記念特番
追記
明日21:30〜はEテレでスーパーキュートな鴈治郎さんとお亮の対談が見れる、スイッチインタビューが放送です!乞うご期待!
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