松下優也×有澤樟太郎 ブロードウェイミュージカル 舞台『キンキーブーツ 』感想ネタバレ in 東京2025です。
キンキーブーツ日本キャスト版を観てきました。海外キャスト版は映画館で見たことがあり、日本キャスト版を通しで見るのは初めてです。久々に有澤さんを生で見れました。他のキャストの方は初めましてだと思います。
例によって夜中でサッと書いてるのでベタ打ちです。後ほど時間できたら清書します〜。→清書できました!
会場/アクセス
渋谷ヒカリエにある、東急シアターオーブで上演中です。
ヒカリエは広いし綺麗で、お化粧室の個室の数が多いので過ごしやすいです。前も書いた気がしますが、有澤さんが公演する会場は綺麗で御手洗事情に優しい場所が多くて有難いです。
渋谷駅から直結になっており、雨にも濡れません。
公演期間
東京 2025年4月27日〜5月18日
大阪 5月26日〜6月8日
キャスト一覧
本日のキャストです。マチネです。本日のローラは松下優也さん、チャーリーは有澤樟太郎さんです。
主演のローラ、チャーリーはWキャストで、もう一人のチャーリーは東啓介さん、ローラは甲斐翔真さんです。
あらすじと結末
紳士靴を作る工場の家に生まれたチャーリー。父に反発して婚約者と地元を飛び出していたが、父が亡くなり、工場を継ぐことに。
しかし経営は傾いており、従業員を解雇しなければならない事態に。従業員の一人である女性、ローレンから、何か特別な売りになるものを作ってはどうかと提案され、街で暴漢から助けたドラァグクイーン、ローラからヒントを得て、彼ら向けの派手で、男性が履けるブーツを製作することに。
ミラノのショーに出ることになったが、それに向けてチャーリーは熱くなりすぎ、従業員と衝突。ローラにも酷い言葉を投げかけ、孤立。さらには彼女にも振られる。
そんなチャーリーをローレンは励ます。すると、帰ったと思われた従業員が拘りの強いチャーリーのために靴を製作し直していた。
ローラの姿が見えないまま、チャーリーたちはミラノへ。予算もなく、誰もモデルがいないので、ひとりチャーリーはスーツのズボンを脱ぎ、真っ赤なブーツを履いてステージに立つ。
そこへ、チャーリーの心のこもった留守電を聞いたローラがステージに駆けつけた。他の仲間たちも全員がブーツを履き、ステージに立った。チャーリーとローラは和解し、ハグをした。
感想
あらすじなのでザッとしか書いてませんが、チャーリーとローラのそれぞれの父への想い、ローラと従業員のボクシングバトル、ローレンのチャーリーへの想いなど、様々な名シーンがあります。
海外キャスト版でも感動しましたが、生で見て、改めて感動しました。そして、海外版で見た時よりも、より心に響いて、泣けるポイントが多かったです。
従業員がチャーリーを助けるところ、そしてチャーリーが作り直されたブーツを見て、「イェー」と言うところ。ローラに留守電を吹き込むところ。泣けます。
「イェー」と言うの、その前までは笑える感じなのですが、このシーンだけは泣けてきました。
チャーリーは作り方が甘い!と従業員に言って、私たちにも生活があるのに!帰る!と言われて怒らせてしまうのです。
その後、ローラが従業員の一人であるドンに言った「他人をあるがままに受け入れなさい」という言葉でドンの心が動かされ、彼が行動し、他の従業員を工場へ戻すことができました。
拘りの強いあるがままのチャーリーを受け入れたからです。チャーリーの一見ワガママな主張は真剣な靴への拘りであり、仕事への熱意です。
社長として、従業員の生活がかかっているというプレッシャー、そして何が何でも成功させたいという強い願いからも来ているでしょう。反発はしていたものの、父の工場を残したいという気持ちだってある筈です。
ですから、作り直され、完璧になったブーツを見た時に出た「イェー」という感嘆の声は、心からの喜びと感動の声なんですね。離れて行ってしまったと思った仲間たちが戻ってきてくれた嬉しさもあるでしょう。
それを有澤さんはこの一言にチャーリーの気持ちをよく表現されていて、とても心に響きました。
ローラは幼い頃、女っぽい性格を父から矯正される為にボクシングを習わされ、試合に出るまでになります。しかし、ローラの心は満たされず、父とは絶縁しました。
その後、ローラは地元の介護施設で壮大な歌を歌います。そこにはローラの父が車椅子に乗っていましたが、どうやらボケてしまって、ローラのことを息子とは分からないようです。
ただ黙って俯いている父に「愛しているわ」と言ってローラは泣きながら施設を去ります。ここは海外版でも泣いたシーンです。ただ施設で歌っているというだけでなく、父に向けて歌っているんですよね。
チャーリーが反発しつつも工場を残したいと願っているように、ローラもまた、父に対する愛情があり、完全に憎んでいたわけではないのです。
ローラの父がボクシングを習わせたお陰でドンの心を動かし、チャーリーと従業員の和解にも繋がったわけで、嫌々だったとしても人生に活きているんですよね。ドンとローラも和解しましたし。
そういった経験を経て、ローラは介護施設で歌うことができたのかなとも考えたりもします。
ありのままの自分を受け入れてくれない父に対して怒りや悲しみの気持ちもあったと思うのですが、ローラの中で感謝の気持ちが芽生えたのかなと。
そういうことってありますね。親の子供への愛情って、その時には分からなくて、後になって分かる。わかった時にはもう親は年老いてしまっていたり、この世にはいないとか。
チャーリーの父が工場を手放す気でいて、チャーリーは自分は信じられていなかったんだと言うシーンが切ないです。
ですがこれについても、父の子供への愛情だと思いました。嫌がる子供に無理に継がせることなく、生活をしていけるように工場を売りにだしたのだと。
ドラァグクイーンと言うくらいですし、ローラはゲイだと認識していますが、一方で女性に思われたいわけではないのだろうなというのが本作の好きなところです。
ローラは私は女性になりたいとは言いません。女性を尊敬しているとして、女性の格好をしています。
ドスを効かせた男の声を出したりしますし、チャーリーが留守電に「君は真の男の中の男だ」と言って、それを聞いてミラノまで来ましたので、男性でゲイで女装が好き、ただそのままを父に認めて欲しかったんだろうなと思いました。
ドンに言った「あるがままの他人を受け入れなさい」という言葉そのままですね。ボクシングというあからさまに男性を象徴するようなスポーツをやっていなくたって、女装をしてたって、僕は男だと。
女はね、戦う術を知っているの、とは言っていましたが。自分は男である、という確固たる自認を持っているのだろうなと。
昨今よく聞くような、身体男であるのに、女の格好をしただけで私は女です、女子更衣室使わせてください、女湯入らせてください、と言う人は嫌いですし、
きっちりと更衣室やトイレ、入浴は生まれ持った性別の身体で分けるべき(性別適合手術をしようと不可)、という考えを私は持っていますが、ローラはそういった人ではないと思いました。
ドンに男性の姿を弄られてトイレに篭った時も、ちゃんと男性トイレに篭りましたし。そういった良識と、女性への敬意があるからローラは愛すべきキャラクターなんだと思います。
LGBTQへの理解が叫ばれてる昨今で、グッズにも購入すると支援金が行くものがあったのですが、上記のように身体男性(手術の有無関係なく)なのに、女性の使うスペースに入りたがる人たちを支援することになるなら買いたくないなと思いました。
レインボーカラーのとても可愛い缶バッジだったのですが、近年、あまりにもマジョリティである女性の人権が蔑ろにされていると感じ、購入には慎重になってしまいました。
それにはアメリカの影響があるのではと憶測しているのですが、日本は強い姿勢で日本人女性を守って欲しいです。秩序が壊れてからでは遅いです。
重い話をしてしまいましたが、キンキーは何も悪くないです。私が勝手に慎重になってしまっただけなので、普通に気に入ったらグッズ買ってください(笑)
閑話休題。
キンキーの歌で好きなのは、ローラの歌と、最後のみんなで歌う歌です。この前、音楽番組でたまたまキンキーが出ているのを見たのですが、その際も歌っていたと思います。
チャーリーのパパ見て〜のところが特に好きです。あれって下半身パンツ一丁ですよね?パンツ一丁に真っ赤なブーツで見てるかい?ニコニコはなかなかにクレイジー。
そういえば有澤さんといえば、足の長さが3mあることで有名ですが、まさにピッタリな役だと思いました。思いっきり長さを見せつけられますからね。
ランウェイに出る時に、生まれたての子鹿のように慣れないヒールで転びながら出てくるのがまた感動するんですよね。
ローラに対して男の格好で空港に来い、恥ずかしい格好で来るなと言うのに、自分がかなり恥ずかしい格好で一人でステージに立つという。
ローラが父の前で歌えるようになったり、チャーリーが見栄や外聞を捨ててステージに立ったり、大の男の成長物語でもあるんですよね。大人だって成長する。
最後に子供の頃のふたりが出てきて、それぞれ父と心を通わせたような描写があり、胸打たれます。インナーチャイルドなのかな。
ドンも成長しましたね。工場に仲間を呼び寄せたときにウインクするとこ好きです。ローラから他人をあるがままに受け入れなさいと言われ、それだけでいいのか?と言いますが、これってかなり難しいことです。
こうして欲しい、ああして欲しい、なんであなたはそうなの?って思うのが人情ですよね。ドンが一番成長したかも。
松下さんのローラ。実は男性の姿をしている時が好きです。ちゃんとすっぴん感あっていいですね。あれだけの激しい動きと歌、台詞を1日に2回も。感服します。
カテコ
チャーリーとローラが出てきて、ローラが「渋谷は賛美の雨」と言いました。明日は休演日とも言ってたみたいです。
本日はGW最終日で雨でしたが、雨のお陰か渋谷がいつもより人が少なく過ごしやすかったです。人が捌けるので、イベント事がある日に雨ってラッキーなんですよね。
みよくは事あるごとに渋谷嫌いと言ってますが、雨の渋谷は好きかもしれないと思いました。キンキーが上演したこともあり、ちょっと渋谷が好きになりました。
グッズ
売り場が電飾あって可愛いです。
パンフレットとキーホルダーを買いました。パンフレットには歴代ローラ役の三浦春馬、城田優、チャーリー役の小池徹平の写真も載っています。
キーホルダーは手で押すと開くタイプの楽々キーホルダーで、可愛くてとても気に入りました。片手でもバッグなどにつけられますね♪
そのほか、キューピーちゃんやバッグも欲しかったですが完売でした。バッグはブーツの柄が刺繍になっているという素晴らしい作りでした。
CDも買えばよかったなと思いました。CDの中身は今回のキャストではなく、初代キャストの音源になります。
配信は海外版しかないです。
おわりに
全然関係ないのですが、終わった後に会場でフィギュアスタート選手の高橋大輔さんと村上佳菜子さんらを見ました。びっっくりしました。
普通に撮影スポットの前で記念撮影してました。7人くらいのグループで、高橋さん以外は全員女性でした。SIXという舞台も観に行かれていたようです。
生高橋大輔、かっこよかったです〜。いやぁ、握手してもらいたくなりましたが、プライベートだしやめときました。服装も帽子にデニムジャケットにピアスしてて、カジュアルでかっこよかったです。村上佳菜子さんもお洒落でした。皆さんお洒落ガールズでした。
周りの人は気が付いていないのか気が付いていてスルーしてるのか、誰も特に騒いでいませんでした。私もポーカーフェイスでしたので、本当は周りの人も内心うっひょー!!とか思ってたかも。
キンキーブーツ、もうチケットないから観られないですが、何度でも観たくなる作品ですね。生で見るとやっぱり違います。
海外版のキャストよりもやはり日本人なので線の細さはありますが、同じ日本人だからなのか日本語だからなのか、登場人物の心の動き、揺らぎがより伝わってきたり、作品のメッセージがすっと入りやすいと思いました。
台詞もちょこちょこ日本版とは異なります。例えばローラがチャーリーに自分の生い立ちと父のことを話す際に言う冗談とか。
海外版だと、父が肺がんになった、そんなに(私が)煙たかったのかしら?(タバコの煙とかけている)と言いますが、日本版だと抗がん剤治療でゲイゲイ言ってたの(ゲイセクシャルとかけている)、とか。
また海外版も観たくなりました。他にも色々とジョークがあったり、笑えるシーンもたくさんあります。笑って泣けて、音楽で盛り上がり、キンキーブーツは名作です。まだ生で観たことがない方は、ぜひ劇場へ。
感動をありがとうございました。
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