アニメ『ロミオの青い空』世界名作劇場 感想ネタバレ結末です。
前々から話題になっていたので見てみました。
世界名作劇場は一話完結ものという印象が何故かあったのですが1995年放送、全33話です。
ロミオが明るい。冒頭から壮絶な体験をするのですが、めげません。時代は19世紀後半(1801年〜1900年)で、舞台はイタリアのミラノです。
あらすじと感想
スイスのソノーニョ村で暮らす11歳の少年、ロミオ。
ロミオを買いたい人買いがロミオを追い詰めるためロミオの父親の畑を燃やしてしまいます。
それにより父親は目が見えなくなり、治療のためにお金が必要になります。
ロミオはイタリアのミラノへ自分が売られることを決心します。
しかし冬の間だけで、春になれば帰れると言われます。
帰ってきた子はいないのよ!と幼馴染のアニタに言われますが、結末を言ってしまうと無事帰れます。
(ロミオの肩に乗っているのはピッコロと名付けられたオコジョです)
あの設定は何だったんだろうと思いましたが、船で連れて行かれる時に荒波で海に投げ出されていましたし、ご飯を与えてもらえない子もいるということで、それらの困難が原因で村に帰ることが出来なかったのだろうと推測しました。
ロミオは常にモテモテです。村では幼馴染のアニタからキスを迫られますし、ミラノの街に行ってからはアンジェレッタという天使のような少女に好意を持たれます。
そして最終的には貴族の親友、アルフレドの妹であるビアンカと結婚します。
アニタが可哀想に思いますがまだ11歳とかですからね。他にいい人を見つけるでしょう。
アンジェレッタは病気を治すためパリに行き、それきりでした。ロミオはさようなら、僕の天使。と言います。
アンジェレッタも名門貴族の娘ですが母親が平民のため、父親の母、アンジェレッタから見れば祖母から認められず、長い間平民の家で暮らしていました。
ロミオの助けにより、冷たかった祖母が心を開き、アンジェレッタを助けるため共にパリへと向かいます。
ロミオは煙突掃除夫として売られたのですがその設定が面白いと思いました。大人では煙突の中に入ることができないため、わざわざ大人から子供を買うのです。
大人いる意味あるの?と思いましたが責任者としているのでしょう。
ロミオの純粋さ、真っ直ぐさ、誠実さに誰もが心を開きます。
奉公先では濡れ衣で泥棒扱いされたり鉄格子の部屋に閉じ込められたり散々な扱いを受けますが自らの力で道を切り開きました。
奉公先の夫婦の息子であるアンゼルモの性根が腐っていて最後まで変わることはなく、残念だなと思いましたが自分はもしかしたらそちら側かもしれないと思いました。
人間の弱さ、卑怯さがよく出てます。
最後にロミオが青いレモン(ベルばらのアンドレを思い出します)を渡し、君の幸せを願っているよと伝えるのですがあろうことかそのレモンを床に投げつけます。
ロミオが出て行った後に投げつけただけマシでしょうか?
ロミオが故郷に帰り、奉公先の妻であるエッダ・ロッシ夫人が涙ぐんだのは感動する気持ちがありつつも切ない気持ちになりました。
横でアンゼルモがお腹すいたーなどと言っていて、甘やかされた底意地の悪い息子が残ってしまっていることが。
そうなるとアンゼルモも可哀想になるのですが親方も実の息子よりもロミオを気に入ってるのではと思ってしまいました。
アンゼルモのお婆ちゃんが来た時、ロミオの方を気に入っていましたからね。
アルフレドはロミオと一歳しか変わらないのに聡明で頭が良く、大人のようでした。貴族の家に生まれた影響が大きいのかもしれません。
アンジェレッタはもしかしたら天国に行ってしまうかもと思っていましたがまさかアルフレドが行ってしまうなんて思いませんでした。
最後の教会でのシーンはフランダースの犬のネロを思い出しました。
絵がジブリのキャラクターに少し似てます。
アルフレドに恋をしていたニキータが本当に可哀想だったのですが強い女の子で立ち直りが早かったです。
そこまで深い関係ではなかったからかもしれません。反対にロミオは酷い落ち込みようで、仲間から叱咤されます。
大親友であり、心の支えであったアルフレドを失うことはロミオにとって半身を失うようなものであり落ち込むのも無理はないので仲間たちが厳しいなと思いました。
アルフレドとアンジェレッタの影響によりロミオは本を読むことの楽しさに目覚め、ついには教師となります。
自分の名前すら読めなかったのに感慨深いです。
おわりに
アルフレドがもし生きていたら何の職業についていたのだろう。予想ですが政治家かなって思います。平和に強い関心を持っていたので。
恵まれない環境、逆境の中にこそ生まれるやる気や勇気があるのだろうと思いました。
次回作は名犬ラッシーでした。
ちなみになぜタイトルが青い空なのかというと、煙突掃除をして屋根の上に上がった時に見た青空が煙突掃除夫である子供たちにしか見えない景色であり、ロミオの心を澄んだ気持ちにしたということ、
その他に病弱で外に出られないアンジェレッタに青い空を見せてあげた(実際に見せたのではなく心に情景を浮かべさせた)ことにあると思っています。
追記 2018.12.29
昨日、アルフレドの声をあてた藤田淑子さんが乳がんで亡くなられました。68歳でした。
数々の有名キャラクターを演じ、アニメの主題歌も歌っていました。
きっと天国でアルフレドに会っていることでしょう。
さらに追記 2022.2.1
3月にミュージカルとして舞台化が決定しました!それを記念し、YouTubeで全話配信されることになりました。お見逃しなく。
2009年3月に『ロミオの青い空〜もうひとつの空〜』というタイトルで一度舞台化されていますが、ミュージカルは初かもしれません。
13年ぶりの舞台化、おめでとうございます。
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