新浄瑠璃百鬼丸 扉座 公演初日 座・高円寺に行ってきました。
百鬼丸は10年ぶりの再演です。
全く気付いていなかったのですが、ミュージカル刀剣乱舞で土方さん役で出ていた高木トモアキさんが醍醐景光役で出演していました。
この日は図らずも土方歳三デーでした(笑)
☆後で分かったのですが多宝丸役の新原武(にいはら たけし)さんも
ミュージカル刀剣乱舞で中島登(なかじま のぼり)役として出演していました。
☆ちなみに現在、刀剣乱舞などの演出を手掛けられている茅野イサムさんは扉座出身で、新浄瑠璃で多宝丸を演じたことがあります。
☆またさらに後で判明したのが、2011年に見た関俊彦さん出演の『きらら浮世伝』の脚本が同じ横内謙介さんでした。
カフェ
上演前は3Fにあるカフェで一休み。
グランドピアノやバーカウンターもあるお洒落なカフェでした。
洋楽が心地よかったです。
ホットチョコレートを。
クーベルチュール・チョコレート使用。
*製菓用の脂肪分の高いチョコ
上演前に台本買いました。一回しか見ないので先に見て理解しておこうかと思いましたがやめました。
入場はスマホチケットにしました。
当日券もありました。初日は何故か初日割りというのがありました。
ストーリー
ざっくり説明します。
どろろと百鬼丸の設定
まずどろろがおっさんで百鬼丸が女です。
百鬼丸は体を取り戻すと金髪の男になります。
オッサンどろろは妻と息子を亡くしています。
盗っ人のオッさんどろろが赤ん坊の百鬼丸を拾いますがその時点で百鬼丸は産まれてから17年経っています。
剣を念力で動かすことができ、心の声で会話します。
心の声を女性がしています。
百鬼丸は体を取り戻すまでどろろに体となって動いて欲しいと頼みます。
百鬼丸とどろろは旅をします。どろろは百鬼丸を「若」と呼びます。令和アニメの多宝丸のようですね。
その中で百鬼丸は手が生えたりしますが、後半までずっと赤ん坊のままです。
最後の方になって全身が元に戻り、成人男性の姿になります。
醍醐景光とその妻
醍醐景光は百鬼丸の体を魔物に差し出し、魔物の一人である白眼童子(はくがんどうし)に取り入られました。
白眼童子は百鬼丸の両目を奪っています。
百鬼丸が産まれた時、醍醐景光の妻・阿佐比(あさひ)は百鬼丸に愛情を持ってころさないでくれと景光に頼んでいましたが、多宝丸が百鬼丸の存在を疎ましく思っているのを知ると、
百鬼丸にしんでくれと刃を突き立てました。
悲しむ百鬼丸。どろろは百鬼丸を庇います。
多宝丸
多宝丸は百鬼丸について「化け物をその手に抱いたのだろう、吐き気がする」と阿佐比に暴言を吐きます。
百鬼丸は母恋しさに生きてきましたが、疎まれていると知り、体を取り戻した際には体中に憎しみが滾っていました。
両親を亡き者にする為に城へ向かいました。
百鬼丸が体を取り戻したことを多宝丸は赤頭の獅子姿で喜び、扇子で紙吹雪を散らしていました。
そして百鬼丸に斬られ、血を吹いて亡くなります。
多宝丸のし骸には九尾が生えていました。
多宝丸は魔物でした。
九尾の設定はPS2でありますね。
阿佐比は「人の子を化け物の姿に産み、魔物を人の姿として育てた」と嘆きます。
多宝丸のことを目に入れても痛くないというほどに可愛がっていたので、相当なショックだったと思います。
戦っている時の多宝丸が背中を反らせる姿が迫力ありました。
高慢ちきな態度は原作や昭和アニメに近かったです。
女郎みお
みおは女郎として登場し、どろろが買おうとします。
みおは嫌がり、百鬼丸が止めます。
みおの胸に抱かれた百鬼丸は母を思い出し、安らぎます。それを見たどろろはみおに百鬼丸を預けて出ていきました。
しかしみおの元へ敵が来た時、命惜しさにみおは百鬼丸とは無関係だと百鬼丸を投げ捨てました。
その後、どろろと百鬼丸は再会します。
どろろの命
どろろは野狐に喰われて亡くなりました。
泥棒でしたが百鬼丸の面倒を一生懸命見たので罪が許され、妻と子供の待つ天国へ行けることになりました。
百鬼丸は別れを惜しみますがどろろは作ってあげた竹とんぼを渡して別れを告げます。
目を取り戻した百鬼丸
魔物を倒しに行く百鬼丸の前に白眼童子が現れ、取引を持ちかけました。
命を助けてくれるのなら他の魔物のいる場所を教えると。しかし百鬼丸は取引には応じず、白眼童子を倒して目玉を取り戻します。
目玉の人たちが出てきた時から目玉のおやじっぽいなぁと思っていたのですが「水木しげる」発言が出て来た時は笑いました。
阿佐比と百鬼丸
阿佐比は己の行為を悔い、百鬼丸が命を奪いに来るのを待っていました。
百鬼丸はただ命を奪うことだけでは飽き足らず、同じように腕や足を切って耳を削いでやると言います。
侍女は一番可哀想なのは奥方様だと庇いますが百鬼丸は聞き耳を持たず、阿佐比に刀を振り上げました。
しかしその時、どこからともなくどろろの竹とんぼが飛んできて、百鬼丸を止めます。
竹とんぼを手にして涙する百鬼丸と、泣き崩れる阿佐比。
その後、阿佐比は自がいし、侍女は反景光の軍に亡き者にされました。
醍醐景光の最期
景光は白眼童子に見捨てられ、反景光の軍により打ち首にされて首を掲げられていました。
ラストシーン
反景光の軍とその姫・橘姫から国を治め、征夷将軍になるよう百鬼丸は頼まれますが、旅立ちます。
橘姫は「いつかここに戻ってきてください」と首飾りを手渡しました。
一面に花々が咲き誇りました。
おわり
感想
多くの役者が笹を持ってざわざわと揺するシーンの音に癒されました。
会場では笹柄のTシャツを売っています。
設定が大きく異なることに戸惑いがありました。
キャラクターの性格も嫌いでした。阿佐比は自分勝手だと思いました。
多宝丸が憎んでいるからと百鬼丸をころそうとし、多宝丸が魔物だと知ると今までの愛情をなかったことにして百鬼丸に懺悔する。
可哀想で景光の一番の被害者であることに変わりはないのですが、魔物とはいえ多宝丸も可哀想だと思いました。
白眼童子の性格がチャラいおじさんで面白かったです。
「景光~」がウケました。
服装が全く原作にもアニメにも寄せていないので余計にどろろではない別作品のように見えました。
確かにタイトルが『百鬼丸』なので、どろろが途中退場することも、別作品のように感じるのも間違いではないのかもしれません。
どろろの下ネタをちょくちょく持ち出すところも苦手でした。でもおっさんですからね。
みおが浅はかなキャラクターにされてしまったことも悲しかったです。
自分の命を投げうってでもという行動は漫画的で、現実はあんなものだろうとも思うのでリアリティはあります。
百鬼丸の憎しみについてだとか、他のどろろ作品に比べて人間の感情について最も生々しさを追求した作品でした。
カーテンコール
否定的なことも書きましたがカーテンコールで「SNSにでもクソだとか書いていい」と言っていたので素直に書きました(笑)
チケットは全日程完売で、初めてのことだそうです。
この後、新浄瑠璃百鬼丸は東京を終えると千葉、神奈川でも上演します。
百鬼丸が体を取り戻すところだとかラストの美しい花々など迫力のあるシーンも多くあり、一つの演劇として楽しめました。
今後も頑張ってください☆
追記
舞台どろろで多宝丸役を演じた有澤樟太郎さんが後日観劇に行っていました。感想は公式アメブロで見れます。
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